沈黙が始まってからもう何分が経ったであろうか。窓の外には夕焼け空が広がっている・・・・そんな放課後の教室で。
「やなくん、実は言わないといけない事があるの。」
「え?何?」
「あのね・・・。お父さんが転勤で東京に行く事になったの。だから・・・。」
「・・・嘘?い、いつ行っちゃうの?」
「・・・・・・・・・ごめん、明日にはもう・・・。」
そんな急な告白に、ボクは自分の耳を疑った。しかし加奈子の頬に伝わる涙は、それが嘘でない事を物語っていた。
「絶対に、絶対に忘れないから。わたし、東京に行っても、やなくんの事、ずっと待ってるから・・・。」
そう言い残すと、加奈子はボクに背を向け、教室を駆け出して行った。天を仰いだボクは、彼女の後姿を追うことができなかった。
「時間よ、時間よ止まってくれ!」
心の中でそう叫んだ。こぼれた涙が頬を伝う。なぜこの時は去っていくんだ。「待ってるから」という言葉が頭の中でリフレインする。
中2の冬の夕暮れであった。
そんな別れから15年が経ち、ボクは大人になった。
そして今・・・、
そう、偶然の出会いがボク達を熱くさせた。加奈子とボクは過ぎた時間を埋めるかのように激しく重なり合った。
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「もう帰ってしまうの?」
「いや、もっと加奈子を感じていたい・・・。」
「・・・・・・・・う ん・・・うれしい♪」
二人の時間を終わらせたくない。もう別れるのは嫌だ。
「店長、一時間延長入りましたー♪」
「あっ、それとここではナナって呼んでね。」
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